トップインタビュー

社長の高橋が帝国データバンク様よりインタビューを受けて、帝国ニュース茨城県版に掲載されました。その記事をご紹介いたします。

創業までのいきさつ

当社が産総研の技術移転ベンチャーという形で設立したのは2004年ですから新しい会社です。しかし、当社の技術的な母体になっている産総研の研究グループの研究を含めると非常に長い歴史があります。ここは旧電子技術総合研究所の時代から、ロボットが眼で物を見たり判断したりという研究の分野では世界でトップクラスの研究を長期にわたってやっています。
私自身もこの研究グループに参加したのが20年以上前の1985年です。当時は人工知能やロボットの研究ブームが始まった頃で、その頃はすでに日本での研究拠点となっていました。当時はまだプログラムで繰り返してロボットアームが動くだけで「こりゃすごい」 という頃だったのですが、当然もっと賢いロボットにするには、人と同じような眼を持ったロボットを作らないといけないことはわかっていました。

開発の歴史

私の出向元の会社はすぐにもできると思っていたかもしれないのですが、当時はコンピュータも遅いし、カメラの性能も非常に悪くて、実用化は非常に難しかったのを覚えています。私は、そのうちコンピュータが千倍速くなって、カメラが高性能になるし、必ず実現できるはずと考えていました。
この間に研究所内外のたくさんの優秀な人たちに次々とこの研究に参加してもらって、20年後の現在では様々なことができる大きなシステムになりました。速くて高性能なコンピュータとカメラが廉価に入手できるようになって、ちょうど様々な分野で使ってもらえる時期に来ています。例えば、産総研のヒューマノイド(人型)ロボットは言葉で指示された物を、自分の眼で探して、上手に取ってくることができるようになりました。


ヒューマノイドロボットHRP-2が目の前のジュース缶を見つけた場面

会社の設立

産総研になってから「技術を社会へ」という方針の一環として、産総研発のベンチャー起業を支援するシステムができています。産総研内のベンチャー開発戦略研究センターというところなのですが、私たちの技術の事業性や成長性の調査と、設立にあたっての支援をしていただきました。私としては、じっくり考えながら会社を作るつもりだったのですが、調査中にも具体的な案件が入ってくるような状況だったことや、この事業に多くの仲間が集まってくれたこともあり、見切り発車で、調査開始から半年ほどで会社を作ってしまいました。

お客様の事業分野

3次元視覚認識というのは工場の生産ラインから自動走行システム、土木・建設といったように、いろいろな利用分野があります。一般にベンチャー企業を設立する時の典型的なパターンは、特定のお客さんをターゲットに特定のサービスを提供するといった一点突破方式で、皆さんも説明しやすいと思います。ところが当社の場合は、あれにもこれにもということで事業展開 の説明が難しいところがあります。加えて、どうしても最先端ということで個々の開発内容を一般にご紹介できない場合も多くて、VCさんを含め金融関係の方にはなんとも説明しにくかったりします。
ただソフトウェア開発キットを中心に汎用製品を出荷するようになりましたので、そちらを通じてだんだんと当社が何をしているのか知っていただければと思います。

経営の考え方

私としては、技術を生み出す過程を大事に考えたいと思っています。以前大手企業の研究所にいたのですが、その当時から新しい技術を生み出すことにあまり熱心ではないことに疑問を持っていました。研究所 において研究や技術開発に専念しなければいけない時期の若いスタッフまで、人事管理や直接技術と関係ない商品企画にひっぱられてしまうこと、技術者が相応の待遇を受けていないような気がしています。こうしたあり方が、日本での技術系就職への不人気や技術水準の地盤沈下を招いていると思います。
せっかくこれだけの高いレベルの技術の事業化をまかせていただいたので、事業としての成功はもちろん、事業に参加していただいた皆さんにもいろいろな形でお返しできればと思っています。


当社のシステムには人と同じように二つの眼を持っています。上の写真は高橋が持っている物体がどこにあるのかロボットが見つけたところです